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長年の念願が叶い、敬愛する宮沢賢治の童話の朗読公演を始めて5年目を迎え、100ヶ所近くの巡業をワクワクしながら楽しんできました。
「頭で覚えず、いつでも身体で覚えなさい。すると知識に感動できるのですよ。」 幼少年期を東北で過ごした体験が、この賢治の教えと共に走馬灯のように蘇ります。
身体で覚え、感じる。体感することこそが賢治の教育のテーマであり、私の原点でもあったのです。 その時の感動を忘れることなく、いまもお客様に育てられているという自覚と共に、貪欲に感性を磨いていきたいと願っています。

「人生の大根役者」・近況雑記
 ――その2:2008年前半期― ―

はじめに

 

 私の好きなシャンソンの中の一曲「人生の大根役者」を標榜し、「一期一会」をモットーに役者稼業を続けてきました。映画であれ、舞台であれ、その作品と出会う機会は、まさに奇跡的な出来事のように思えます。けれどもそれは偶然のようにも見えますが、ようく 振り返ってみると、必然的な要素をはらんで私とつながっているのでは? と思いたくなるようなミステリアスな一面もあるような気がします。それは、私の「ポリシー」や「こだわり」の世界とも関連しているようでもあります。

 

 そんな観点から第1回目は、昨年(2007年)の前半期の仕事を中心に振り返ってみました。そこで今回は第2回目として、今年(2008年)の前半期の仕事を中心に振り返ってみましょう。

 

舞台からテレビドラマのレギュラーへ。

 まずは、印象深く想い出すのが、昨年久し振りに舞台出演したことです。      

 原作が大ヒットし、すでに映画化もテレビ化もなされて話題になっていた「東京タワー」のオトンを楽しんでやりました。この時、オカン役を演じたのが加賀まりこさんで、筑豊にこだわっていたが、息子のいる東京に出かけて行くオカンと、東京を嫌がっているオトンのコンビは、私にとってとても新鮮で面白い夫婦が体験できたようで、加賀さんには感謝しています。

 その加賀さんと、今度はテレビドラマでまたまた夫婦役でレギュラー出演ということになりました。テレビドラマ「A round40(アラフォー)」のヒロインが天海祐希さんで、そのおやじの医者をやりました。息子が「EXILE」のAKIRA君で、他に藤木直人君らの若い役者さんたちとの共演で、久し振りにホームドラマ出演の楽しさを実感させていた だきました。AKIRA君とは、「月刊 EXILE」で対談(THE SESSION)が実現し、久し振りに若いアーチストとのSESSIONに、若かりし頃の自分をオーバーラップさせながら、二人の接点を模索し発見していく貴重な 体験となったようです。

 スタッフ、キャストの皆さんに感謝しつつー。 

 「アラフォー」の気分も抜けない内に、またまた秋のドラマのレギュラー出演が決まり ました。

 

*「チーム・バチスタの栄光」 フジテレビ系列 毎週火曜日 22:00〜22:54(全11回)

            ★初回は 10月14日(火)22:10〜で10分拡大放映されます。

 今年2月に映画化された本格医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」のTVドラマ版です。原作は06年に「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した累計300万部を超えるベストセラー作品。難度の高い心臓病手術で成功率100%を誇っていた“チーム・バチスタ“内で、立て続けに術中死が発生する。医療ミスか殺人なのか、謎を呼ぶ連続不審死を心療内科の診察医と厚生労働省の官僚が組んで調査していくストーリー。

 私は、その病院の院長役で出演します。

 共演は、またまた若い個性豊かな伊藤淳史君、仲村トオル君、伊原剛志君たちです。もうすでに何話かの収録を終え、ドラマの佳境に入っていくにつれ、面白くなっていく予感が確信に変わっていくのをワクワクしながら楽しんでおります。

  10月中旬からの放映を楽しんでいただければと願っております。 

 

ジャズピアノのTV学習〜コンサートで地方楽団と共演〜。

*音楽関係で楽しかったのが、3月から9回にわたってジャズピアノを習う番組にゲスト出演したことでしょう。私は、時々コンサートや朗読公演などでピアノの弾き語りをやりますが、残念ですが全くの我流で、ジャズピアノの定義だとか基礎を知らないというのが現状です。

 ですから、― NHK趣味悠々 /国府弘子の 今日からあなたもジャズピアニスト ーに生徒として藤井隆君と参加できたのがタイムリー。国府先生にうまく乗せられながらジャズピアノの多彩なテクニックやセッションの楽しさを存分に体感することができました。

 その上、最終日にはあのジャズトランペッターの第一人者・日野皓正さんと、あろうことか、セッションまでやらしていただいたのです。「サマータイム」のはずが「黄金虫は金持ちだ」のメロディーに変奏になってしまったりと、ついノセられてしまいました。   

 なお、10月6日(月)から総合テレビで再放映されるようです。

*役者である私にとりまして、オーケストラをバックに歌う時、いつも、大げさではなく、表現し難いほどの感動を実感します。日頃役者稼業に勤しんでいる私にとりまして、オーケストラの舞台は、音楽の聖地のようなあこがれの場所でもあるのです。その魅力にとりつかれていることをお見通しで声をかけてくださる地方楽団の方々がいます。

 今年もそうした楽団との楽しいコンサートが実現しました。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 〜夏に楽しむクラシック〜

7月に、宮城県栗原市と岩沼市で開催されました。

岩手・宮城内陸地震の被災からあまり時間が経っていない時でもあり、いろんな意味で 心配でもありました。特に栗原市は今回最も大きな被害を被った地域でしたので、私も、ほんの短い時間でしたが、お見舞いに伺いました。そんな異常事態にもかかわらず、こちらの方がかえって励まされるほどお元気で、恐縮してしまいました。昨年( 07年)の3月に宮沢賢治の朗読公演で伺った時の記憶が蘇ってきます。その時と変わらない客席の反応に、改めてコンサートに参加できたことの歓びを実感した次第です。

大阪センチュリー交響楽団 特別演奏会

〜センチュリー・スクリーンミュージック・セレクション〜

8月の真夏の暑さが厳しい日にもかかわらず、同世代に近い方々に大勢来ていただき、なつかしい映画音楽と共に、当時の青春を想い出し共有する楽しい時間が流れていたようです。

横浜みなとみらいホール会館10周年特別企画  神奈川フィルハーモニー管弦楽団

 渡辺晋一郎プロデュース 〜ドラマの音符たち〜   12月12日(金)18:30〜

オペラに、映画、大河ドラマ・・、日本で生まれ、感動を呼び起こした音楽たちの

感動のエンターティメント!

 この楽しそうなコンサートに、私はゲスト出演させていただくことになっています。

渡辺晋一郎さんとは、印象深い共演がたくさんありますが、その一つに、ある夏の音楽祭で、宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」の中の6編の詩に私が即興でメロディーをつけて 歌い、それに池辺さんが即興のピアノで呼応してくれたことです。とても面白かった。

「一期一会」の嬉しさと緊迫感がありました。そう、芝居も演奏も「一期一会」なのだ!

 

〜さらに続く「一期一会」の朗読公演〜 私のライフワーク。

 私のライフワークとして好評を頂いております宮沢賢治の朗読公演は、 2008年内には140回を超えることになりそうです。未だに人気は衰えず全国巡業を続けております。7月には待望の沖縄公演が、はじめて実現しました。

 那覇市での琉球新報社主催の公演でしたが、800名収容のホールに入りきれない観客が詰めかけましたが、そうした事態を予測して用意していたモニタールームが活用され、熱狂的な雰囲気の中で感動的なフィナーレを迎える事が出来ました。

 その沖縄に10月のはじめ、「地球街道」というTVの旅番組で息子の征生と行くことに なりました。朗読公演の後だけに、どこかでつながっているような因縁を感じます。

 そういえば、宮沢賢治の朗読公演を振り返ると、他所で公演を観た方が自分の町での開催を熱心に勧め、見事に実現してゆく傾向が増えてきています。

 そういう事態に、人と人との運命的な繋がりのようなものを実感することがあります。

 賢治さんが思い描いた理想の姿に、少しづつ近づいているのだろうか?

 そういう思いを抱けることに感謝しつつ、これでおしまいとします。

 

2008年9月末日

 


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